通信業界、サイバーセキュリティ対策に異議

 オバマ大統領がサイバー攻撃に脆弱な「重要基幹設備網」の同定を2月に命じたことを受け、国土安全保障省(DHS=Department of Homeland Security)はサイバーセキュリティ基準の策定を進めている。

 この基準の採用は任意だが、将来的に関連業界に対し義務化される可能性がある。そこで、通信サービス業界と技術系企業のロビイストらはそれぞれセキュリティ対策の負担増を避ける目的で、「重要」の定義の具体化を呼びかけている。

 ビジネスウィークによると、通信業界と技術業界のロビイストらが関心を持つのは、基準対象がインターネット基幹網を制御する通信およびケーブルおよび衛星企業だけに適用されるのか、それともスマートフォンやコンピュータ、OSといったデジタル製品を提供するグーグル(Google)やアップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)といった技術系企業にも適用されるのかという点だ。

 AT&Tとベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)は、デジタル製品を提供する技術系企業も自社システムを守るために投資するべきだと主張し、通信業界だけがセキュリティ対策を負担するのは不公平だと訴える。

 大統領令が発令されて1週間後、アップルは一部従業員のコンピュータが不正ソフトウェアの攻撃を受けたことを明らかにし、それから間もなくマイクロソフトも、企業コンピュータが同様の不正ソフトウェアに感染したことを発表した。

 しかし、グーグルやIBMを含む技術系メーカーやウェブ企業の業界団体、さらにはソフトウェア情報産業協会(Software & Information Industry Association)は、端末やプログラムよりも、データを運ぶケーブルやファイバーの方が重要という見解を示し、技術系企業は基準の対象外とされるべきという立場を明示。

 また、技術系企業は、他国が米国にならって独自のサイバーセキュリティ指針を策定した場合、メーカーやウェブ企業は国ごとに規制に即した製品やサービスを開発する必要があると述べ、基準の適用拡大に懸念を強めている。

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