アマゾン(Amazon)は10月9日、次世代の配送センターと位置づける最先端の注文履行センターを開設したことを明らかにした。
同社の発表資料によると、ルイジアナ州シュリーヴポートにある同施設は5階建てで、総床面積は300万平方フィートを上回り、フットボール・フィールド55個分に相当する。フル稼働した時点では2500人が働く見通しだ。
アマゾンは、同施設を「ロボットおよび人工知能技術における当社史上最大の技術進歩」と呼び、過去数年をかけて同社が実現させてきたさまざまの技術革新を「一つ屋根の下に収めた」と説明している。
同施設の従業員らは、さまざまのロボティクス・システムと一緒に働くことになる。なかでも中心的な役割りを担うのが、在庫管理システム「セコイア(Sequoia)」だ。セコイアは、3000万点以上の商品を収めることができ、同社が初めてテキサス州ヒューストンの配送センターに導入した同システムの5倍の規模を誇る。
同システムは、数千台の可動式ロボットや機械腕の動きを調整して、多数のワークステーションに勤務する従業員らに配送物を届ける。すべてのワークステーションは、従業員らが全作業を太腿から胸ぐらいの高さで実行できるよう人間工学的に設計されている。
顧客の注文品が用意されると、そこから先は一連のシステムが動作し、梱包から発送へと進む。梱包を自動化かつ最適化するシステムは、プラスチックの包装資材ではなく再生利用可能の紙の資材を使用する。
在庫や配達品が施設内を動くあいだには、「ロビン(Robin)」や「カーディナル(Cardinal)」「スパロー(Sparrow)」と呼ばれる機械腕が仕分けや積み重ねといった作業を実行する。それらのロボットは、人工知能を活用することで、高精度での作業を実行できる。たとえば、スパローの最新版は、形状や寸法、重量がすべて固有の異なる2億個以上の商品に対応できる。
また、自律式可動ロボット「プロテウス(Proteus)」は、荷物を積んだカートをトラックの待つ搬送ドックへと自律移動して運ぶ。
アマゾンは、人間工学に配慮することで過去数年間に労働安全の実績を30%以上向上させてきた。それらのロボットを活用することで全社的な安全目標をさらに高められる、と同社は説明している。同社の配送センター従業員数は今後も増え続け、それにともなってロボットの保守管理やロボティクス工学担当職が30%増加する見通しだ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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