雇用改善との判断は時期尚早 ニューヨーク連銀総裁

 【共同】ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁は25日、ニューヨーク市内で講演し、景気下支えを目指した量的緩和第3弾(QE3)に関連して「労働市場の見通しが近いうちに著しく改善すると結論づけるのは時期尚早だ」と述べ、雇用改善を促すために現在の購入規模をまだ当面維持する必要があるとの認識を示した。総裁は「資産購入の総額が最終的にどの程度になるのかどうかは経済見通しの進展状況に従って変化するだろう」とも述べた。

 総裁は米長期国債と住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入について「ある時点で景気が勢いづいたとの十分な証拠を基に購入ペースを徐々に縮小するのが望ましくなる」と予測。一方で、景気が悪化すれば「再び購入ペースを拡大するのが望ましくなる可能性もあるだろう」との見方を示した。

 雇用情勢をめぐっては、失業率や就業者数の伸びは改善しているが、労働参加率など「ほかの重要な指標は実質的に変化がない」とし「健全な状態からはほど遠い」と指摘した。就業者数は経済成長に比べて大きく伸びたが、2011年、12年のようにやがて鈍化する恐れがあり「ことしは成長が財政緊縮によって妨げられ、再びこうした事態が起こり得るリスクがある」と警告。インフレやインフレ期待は落ち着いているものの、雇用最大化の目標については「連邦財政政策の緊縮的な姿勢が(抑制)要因」になっているとして「金融政策を極めて緩和的に維持する必要がある」と述べた。

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