カリフォルニアは引き続き環境分野の先進地

 環境関連技術のベンチャー投資や特許申請数、代替エネルギーを使った発電量など、グリーン産業では依然としてカリフォルニア州が全米をリードしているという最新統計を、サンフランシスコの先進技術調査団体ネクスト10が発表した。

 ロサンゼルス・タイムズによると、カリフォルニア州は、経済や人口を拡大させながらも州民1人当たりの温室効果ガス(GHG)排出量を減らし、環境技術関連の投資や特許を増やし、クリーン発電を拡大するのに成功している。

 同州の失業率は現在も9.8%と全米の最高水準であるにもかかわらず、2011年1月現在の環境関連雇用は17万6000人と、08年同月より約5000人増えた。環境分野は、リセッション前より雇用が増加した数少ない分野の1つとなっている。

 加州は最新バイオ燃料メーカーが全米で最も多く、11年は再生可能エネルギー発電量の構成比が14.5%と、02年から39%も拡大した。出力増大の主因は風力の発電量が4倍に増えたことにあり、風力発電ではアイオワを抜いて国内2位に躍進、首位テキサスに次ぐ位置に付いた。

 技術革新の活発さを示す数字の1つである特許申請件数は、10〜11年に26%増え、加州企業はこの間に913件に上る環境技術関連の特許を取得した。2位はニューヨークの427件だった。

 州内で最も多くベンチャー投資を引きつけているのはやはりシリコンバレーで、12年は州の総額26億ドルの43%に相当する11億ドルを調達した。11年(37億ドル)に比べると額は減ったが、全米のベンチャー投資が44億ドル、世界では65億ドルだったことを考慮すれば注目に値する。

 シリコンバレーの次にベンチャー投資が多かった地域はオレンジ郡(5億7000万ドル)で、以下サンディエゴ郡(3億4000万ドル)、ロサンゼルス郡(1億600万ドル)と続いた。

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