自動車関税の維持主張 豪、対日交渉で方針転換

 【共同】日本と経済連携協定(EPA)交渉中のオーストラリアが、日本から輸入する自動車に課している5%の関税を当面維持すると主張していることが3日、分かった。関税の早期撤廃に応じる姿勢だったが、日本が自動車関税の扱いで米国に譲歩したため、方針を転換した。オーストラリアが先行参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉に波及するのは必至だ。

 日本がオーストラリアとのEPAで関税維持を受け入れた場合、TPP交渉でも関税の早期撤廃を求めることは困難になる。ベトナムやカナダなど自動車を高関税で保護している他のTPP交渉参加国が今後、同様の主張を展開することも想定され、自動車をはじめとする工業製品の輸出拡大に重しとなり、TPP参加の最大のメリットが損なわれる可能性がある。

 オーストラリアは日本製の乗用車やトラックに5%の関税をかけている。日本の政府関係者によると、これまでのEPA交渉では日本の主張に沿い、協定発効から3年後に関税をゼロにする案を軸に調整が進んでいた。

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