アイドリング自動停止装置で燃費は15%改善

 赤信号などで車が停止すると自動的にエンジンが切れ、アクセルを踏むと再び始動するアイドリングストップ機能を搭載することで車の燃費は15%改善される可能性がある。ただ、米ドライバーがこの技術をすんなり受け入れるかどうかは分からない。

 デトロイト・フリー・プレスによると、同機能はアイドリング(エンジン空転)による燃料の無駄遣いを防ぐ効果があり、欧州では新車の約50%に標準またはオプション搭載されているが、米国ではまだ搭載モデルが少ない。

 ドイツ系自動車部品大手ロバート・ボッシュのスコット・ダール米国担当社長は「良いシステムを作ることはできるが、米消費者はまだ赤信号で自動的にエンジンが切れることに不信感がある」と話し、暑い日などエンジンと一緒にエアコンが止まることや再発進時のエンジン音を嫌う人もいると指摘されている。

 しかし、優秀なシステムならエンジンが動いているかどうかさえ分からないことも多く、デンソーのロバート・マーティン・エンジン部門責任者は「業界は消費者の敏感度を心配しすぎることがある。このシステムには最初に感じる不安よりはるかに大きな利点がある」と話す。

 フランス系の部品大手バレオ(Valeo)の開発責任者ミシェル・フォリシア氏によると、アイドリングストップ装置のコストは一般的に400〜500ドルで、この初期投資は、運転習慣に応じて1〜3年で回収できるとみられている。特に停止、発進の多い都市部のドライバーは、田舎のドライバーよりはるかに受ける恩恵が大きい。

 三菱電機オートモーティブ・アメリカは、米国では2020年までにアイドリングストップ機能を搭載した車の販売台数が800万台に達すると予想する。またクライスラーは12年の年次報告で、17年までに製品の90%にこの機能を搭載する計画を明らかにしている。

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