中小メーカーの注文増やせ〜iPhone不振でJディスプレイ

 アップルの多機能携帯端末iPhone(アイフォン)向けに液晶パネルを製造する業者の1つ、ジャパンディスプレイ(東京都)は、大手からの受注減少を補うため、中小のスマートフォン、タブレット・メーカーからの注文を増やそうとしている。

 ジャパンディスプレイは12年4月、ソニー、東芝、日立の中小型ディスプレイ事業の統合で誕生した中小型パネル製造の世界最大手。非公表ながらアップルの主要サプライヤー(部品業者)として広く知られているが、アップルの2012年10〜12月期売上高は、アイフォンの販売低迷によって3四半期連続で市場予測を下回った。

 ロイター通信によると、ジャパンディスプレイの大塚周一社長は最近の会見で、取引先の名は特定せず「第4四半期(1〜3月)はかなりの損失を予想した。前期に受注が大きく減ったから」と語った。このため13年3月期の営業利益率は1%を割り込んだ。

 10〜12月期の受注減に対応するため、同社はコスト抑制と生産性の向上を進め、中小メーカーへの販売を拡大したという。14年3月期は前期比60%増の売上高81億1000万ドルを目指す。

 「大口顧客に対して果敢に売り込みを続ける必要はあるが、大きな潜在性を秘めた顧客とも交渉を続けていく」と大塚氏は話した。同社は政府(産業革新機構)が株式の70%を所有する非上場企業だが、本年度中にも株式上場を目指している。

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