植物は自分で温暖化に対応?〜光を反射するガスを放出

 植物が、二酸化炭素(CO2)を吸収し酸素を放出する光合成によって地球の温暖化防止に役立っていることはよく知られるが、そのほかにも、状況に応じ光を反射して周りの気温を下げる気体を放出しているという調査結果が発表された。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、ヘルシンキ大学などの科学者が行った国際調査で、植物が大気中に放出する微粒子が太陽光を宇宙に反射する効果をもたらしていることが分かった。植物が放出する気体は、太陽の熱を拡散・吸収すると同時に、日光を反射する効果がある雲を形成する水滴のもとにもなっているという。

 論文を共同作成したヘルシンキ大のアリ・アスミ氏は「だれもが知っている森の香りはこうしたガスでできている」と説明する。研究チームが、世界の11カ所(欧州7カ所、北米2カ所、シベリアと南アフリカ各1カ所)で植物から出る水蒸気などの量と気温を調べたところ、気温が高いほど植物は水蒸気を多く放出し、冷却効果を高める形で温暖化に対応していることが分かった。

 しかし、車の排ガスなどが原因の地球温暖化を完全に止めるほどの力は植物にはなく、植物の出す水蒸気の効果は温暖化の約1%を相殺するにすぎないという。ただし、特に田舎や森のある地域には大きな地球冷却効果が期待できる可能性があり、ばい煙があまりない場所では植物による温暖化防止効率が30%まで上がることも考えられる。

 液体の微粒子が空中に分散、浮遊している状態を指すエアロゾル(煙霧質)は、物質の状態で最も理解されていない分野の1つ。もう1人の論文作成者ポーリ・パーソネン氏(ヘルシンキ大)は「この仕組みを理解すれば、地球の気候変化を解明する上で不透明性が減り、対策を考える助けになる」とみている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 植民地から合衆国建国へ 18世紀半ば、現在のアメリカ東海岸にはイギリスの支配下にある...
  2. 2025年12月1日

    就職&雇用ガイド2025
    監修 STS Career https://usfl.com/author/stscar...
  3. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  4. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  5. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  6. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  7.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  8. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
ページ上部へ戻る