VW、北米で調整サービス実施〜ディーゼル車の誤給油防止で

 フォルクスワーゲン(VW)は、ディーゼル・エンジン車に誤ってガソリンを給油しないよう、北米で販売された25万台以上のディーゼル車(2009〜12年型)に調整サービスを実施する。

 オートモーティブ・ニュースによると、対象モデルは09〜12年型ジェッタ、10〜12年型ゴルフ、09〜12年型スポーツワーゲン(カナダ名ゴルフワゴン)のTDIバージョンで、合計販売台数は米国が20万9500台、カナダは5万1600台。VWディーラーに対し、誤給油防止部品と燃料フィルター・ネック・キャップの取り付け費用を支給する予定で、消費者には今月28日から通知を開始する。

 ガソリン給油機のノズル(注入口)はディーゼル給油機より小さく、13年以降のモデルでは燃料フィルターのデザインがディーゼル・ノズルしか受け付けないよう変更されているため、ガソリン用ノズルを差し込もうとしても燃料タンクの口が開かない。

 ディーゼル車にガソリンを給油するとポンプやエンジンに問題が発生し、高額の修理が必要になることもある。VWは米国でのディーゼル燃料車普及に力を入れているが、ディーゼル車にガソリンを誤給油すると同社の品質保証が適用されないため、不適切な給油によって同社と車の所有者が対立することもある。VW広報のトニー・サーボン氏は「米国人がまだディーゼル燃料に不慣れなことが問題の原因」と話した。

 欧州では新車の半分近くがディーゼル車という国もあるが、米国で12年に販売された車のうちディーゼルはわずか0.8%にすぎず、08年は0.1%だった。

 運輸省道路交通安全局(NHTSA)は11年2月、高速走行中にエンジンが停止したという苦情が増えたことを受け、VWのディーゼル車に関する調査を開始した。これまでNHTSAに寄せられた苦情、報告書は合わせて160件で、その多くはVWから提出されている。問題の多くは燃料ポンプに関連しており、VWは「苦情のあった車の90%は燃料タンクにガソリンが入っていた」と報告している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  2. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  3. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  4. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  5.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  6. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  7. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  8. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
ページ上部へ戻る