富士通、パーソナル・クラウド構想を保留 〜ソフトウェア各社と交渉決裂

 富士通は、HTML5ブラウザー対応端末向けのアプリケーションについて、マイクロソフト(Microsoft)を含むソフトウェア各社と希望内容のライセンス契約を締結できなかったことを理由に、パーソナル・クラウド(Personal Cloud)構想の延期を決めた。

 富士通テクノロジー・ソリューションズ(Fujitsu Technology Solutions)のジョゼフ・レーガー最高技術責任者(CTO)は、滅多に使わないようなソフトウェアや機能にまで料金を払う既存のライセンス形態に対し顧客は不満を募らせていると指摘。富士通がソフトウェア各社に求めたライセンス内容は構想実現に必要不可欠であると述べ、ライセンス形態見直しの必要性を訴えた。

 富士通が2012年に発表したパーソナル・クラウドは、HTML5ブラウザーに対応すれば端末や通信網の種類に関係なく、利用者がそれぞれの「パーソナル・クラウド」にアクセスできることを目指したもの。

 レジスター誌によると、レーガーCTOはパーソナル・クラウドの発表当時、iOSとアンドロイド(Android)を含む各種OS搭載の端末でマイクロソフト・オフィス(Office)を含む汎用事務アプリケーションを稼働させる技術がすでに整っていると報告。パーソナル・クラウド実現の唯一の障害として、ソフトウェア各社との「適切な」ライセンス形態の交渉を挙げていた。

 レーガー氏によると、富士通は2013年内におけるパーソナル・クラウドの運用試験を計画していたが、ライセンス交渉決裂を理由に構想自体を保留する。

 同氏は、企業各社では社員の大部分にとって「企業情報システムにアクセスするのに高度に洗練された仕様は必要ない」と指摘。既存のソフトウェア・モデルと企業情報システムには実情が反映されていないと述べた。

 「企業全体で大型パッケージを一律ライセンス」するような既存のライセンス形態は企業の業務現場の現状に則さない、と同氏は強調した。

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