大地震も温暖化要因の1つ?〜地殻変動で地下のメタン漏出
- 2013年7月30日
- アメリカ発ニュース
巨大な地震が起きると海底からメタンガスが漏れ出し、地球温暖化に影響を与える可能性があるとの調査結果を、独ブレーメン大学の研究チームが発表した。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、研究チームが2007年にパキスタン沖のアラビア海海底で掘削した堆積物を分析したところ、メタンガスが含まれていた。これらは地下5.2フィートという比較的浅い場所からも見つかり、何らかの大きな地殻変動によって下から上昇してきたことを示していた。調査結果は英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。
この地殻変動は、1945年に西南アジアで起きたマグニチュード(M)8.1というアラビア海では過去最大の大地震だったと考えられ、インドやパキスタンでは津波で約4000人が死亡している。チームの推定によると、大きな地震に伴って地表に漏れ出したメタンは過去数十年間で計2億6100万立方フィートに上り、漏出は今も続いている。
メタンは二酸化炭素(CO2)よりも強力な温室効果ガス(GHG)で、先週ネイチャー誌に掲載されたオランダと英国の研究報告でも「北極の氷の下にあるメタンは、温暖化で氷が薄くなると大気中に放出されて世界の大きな負担になり、国際経済にとっては時限爆弾」と指摘された。
ブレーメン大学のデビッド・フィッシャー氏は「地震とメタンの漏出の関連は以前から推測されていたが、われわれは初めてそれを証明した。気候変動への影響の度合いはまだ分からないが、メタンとCO2にはまた別の発生源があることを、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書作成者は認識してほしい」と話している。
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