パナソニック、世界初のReRAM搭載機器を出荷 〜SSD市場を奪う可能性も

 パナソニックは、ReRAM(resistive random-access memory)を搭載したコンピュータ機器を8月中に世界で初めて出荷する。

 ReRAMとは、電力が弱くてもフラッシュ・メモリーのように保存内容を安全に保持でき、DRAMのように読み書きが高速で、しかも大容量にも対応しながら小型化も可能なメモリー製品。不揮発性(常時通電の状態になくても保存内容が消えない)は、ReRAMの最も優れた点だと位置づけられる。

 ReRAM技術は、1種類のストレージだけで小型かつ大容量かつ不揮発性の保存機能を備える機器を構築できる可能性を秘めることで、近年注目されている。

 レジスター紙によると、パナソニックでは、同技術をマイクロコンピュータに適用し、MN101LRシリーズを今月中に出荷する予定。各種の検知器や医療用モニター、火災警報器といった機器の市場を開拓しようと同社は狙っている。

 ただ、パナソニックの発表内容からは、ReRAMがすぐに主流となって既存の機器やシステムの性能や機能を一気に向上させるほどではないと指摘される。それでも、ReRAMを採用したコンピュータあるいは類似機器が出回ることで、新たな市場が開拓される可能性が高まった。

 特に省電力が重要な要素となる機器にとってReRAMは有用だ。それと同時に、ReRAMの応用が広まれば、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)市場の一部に取って代わる可能性も指摘される。

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