自動車がハッカーの標的に〜ブレーキからエンジン操作まで

 自動車に搭載されるコンピュータが、ハッカーの新しい標的となっている。

 AP通信によると、最近各地で行われたハッキングの実演会で、ハッカーらは自前のパソコンから走行中の車のブレーキやハンドル操作を不能にしたり、エンジンを停止させたりすることに成功し、車載コンピュータの弱さを暴いている。

 現在の車には、通常20〜70カ所にコンピュータが搭載され、ブレーキやアクセル、ウィンドウを制御するほか車内通信網とつながっているが、この通信網への侵入に成功するハッカーが現れた。コンピュータ・セキュリティ業界の専門家2人は最近、自動車整備士が問題の診断で使うダッシュボード下のポートにラップトップを接続し、2010年型トヨタ「プリウス」とフォード「エスケイプ」を操作して見せた。

 ワシントン大やカリフォルニア大サンディエゴ校の専門家グループも2年前、携帯電話やブルートゥース接続、コンパクト・ディスク・プレイヤーのほか、タイヤ空気圧の監視システムまでも利用して、09年製中型車のコンピュータを支配して見せた。グループは車種名を明らかにしていないが、消息筋によると車両はGM製で、同社の車載テレマティクスサービス「オンスター」が侵害されたという。

 上記のハッカーはいずれも善意のコンピュータ・セキュリティ専門家で、ネットワークへの侵入に数カ月を要した。しかし専門家は、自動車メーカーが車のインターネット接続機能やコンピュータ制御の安全機器を拡充するにつれて、ハッキングは簡単になると警告している。

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