シンガポール航空、世界最長の直行便を廃止

 シンガポール航空は、ニュージャージー州ニューアークとシンガポールを結ぶ世界最長の直行便を来月で廃止する。

 ビジネス・ウィークによると、同便は直線距離9500マイルの世界で最も長い商業路線で、北極回りの平均飛行時間は約18時間だが、風向きなどによって21時間以上かかることもある。最後の運航は11月23日の予定。同社は世界で2番目に長いロサンゼルス〜シンガポールの直行便も運航していたが、これは一足早く今月21日に最後のフライト(約17時間)を終えた。

 これらの長距離2路線では座席数わずか100席のエアバス「A340-500」が使われ、全席ビジネス・クラスで往復チケットは8000ドル超で販売されていた。利用者はほとんどが金融機関の幹部か裕福な個人で、1回乗り継ぎ便よりも平均5時間早いのが売り物だったが、所有機の刷新で同社が炭素繊維機体のエアバス「A350」を購入するのに伴い、両路線のA340は5機すべて売却することに決まった。

 A340以外でこれほどの長距離を飛べる航空機はボーイング「777-200LR」しかないが、シンガポール航空は同モデルを所有していない。広報担当者は「メーカーから非常に良い条件が提示された」と話している。

 廃止が決まった2便は、空席待ちとなることも多かったが「2004年初頭に就航して以来、燃油代など経済状況が大きく変化しており、コストを相殺できるほどの需要はない」(広報)という。

 同社は今後、直行便2本に代えて独フランクフルト経由のニューヨーク〜シンガポール便と東京経由のロサンゼルス〜シンガポール便を運航する。

 これに伴い、新しい世界最長の直行便は、距離では豪カンタス航空のシドニー〜ダラス便(約8600マイル)、飛行時間ではデルタのアトランタ〜ヨハネスブルク(南ア)便(約17時間)となる。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る