移民は貧しくても品行方正〜暴力や反社会行為は米国生まれの半分

 移民はたとえ貧しく教育水準が低くても、物を盗んだり仕事や学校を怠けたり、反社会行為と関わったりすることが米国生まれの人々より少ないという調査結果を、セントルイス大学の研究者らが発表した。

 ロサンゼルス・タイムズによると、全米の約4万3000人を対象に行われた調査では、いじめ、盗み、交通違反切符のため込みなどを含む数十の暴力的および非暴力的な問題行動との関わりを自己申告式で答えてもらい、移民と米国生まれの行動を比較した。

 この結果、移民一般がこうした行動に関わる傾向は米国生まれの約半分にとどまった。性別、人種、民族などで分けても傾向は同じで、アフリカ、中南米、欧州、アジアといずれの出身でも、移民は米国生まれより反社会的行為との関わりが薄かった。

 米国生まれは、暴力的な行動に関わる割合がアジアやアフリカからの移民に比べて約4倍、中南米出身者に比べて3倍高く、小幅ながら欧州からの移民よりも高かった。調査結果は専門誌ソーシャル・サイキアトリー・アンド・サイキアトリック・エピデミオロジーに掲載された。

 報告書を共同作成した同大のマイケル・ボーン教授(ソーシャルワーク学)は「(貧困は犯罪者を生みやすいという)従来の思い込みを覆す結果だ。移民はわずかな物しか持たずに米国に来ることが多く、社会的に不利だが、犯罪率の上昇にはあまり関わっていない」と話した。

 ただし、移民でも11歳以前に来米した人は問題行動を起こす率が高く、米国で過ごす時間が長くなるほど高まる傾向がうかがえる。米国生活が1年増えるごとに、暴力的な行動は1.9%、盗みや学校のずる休みなど非暴力的な反社会行為は0.9%高まる傾向にあった。

 移民は「規則を守って問題を起こさないようにしたい」と考える傾向が強いが、米国生活が長くなるとそうした気持ちが薄らぐと考えられる。このため、移民の受け入れを増やしても長期的には犯罪の減少にはつながりそうもない。

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