輸送中の事故多発で規制強化か〜ノースダコタ産原油

 ノースダコタ州の油田地帯バッケン・シェールで採れる原油について、これを運ぶ鉄道で爆発事故が多発していることから、輸送時の安全規制が強化される可能性が出てきた。規制強化はシェール革命に伴う同州のエネルギー景気に水を差す恐れがある。

 ブルームバーグ・ニュースによると、ノースダコタでは昨年末、原油輸送中の貨物列車が衝突・脱線して炎上。過去半年間で4件目となる大規模鉄道事故が起きた。2013年7月にはカナダ・ケベック州で、同州産の原油の輸送列車が脱線、爆発して47人が死亡している。

 こうした状況を受けて運輸省は今月2日、「ノースダコタのシェール(けつ岩層)から採れる石油は他の産地の原油より燃えやすい性質かもしれず、そのため鉄道輸送にはより高い危険が伴う可能性がある」と警告した。同省のパイプラインおよび危険物安全管理局は、貨車の構造に関する規制の強化などを検討している。規制が強化されれば輸送コストが上がり、製油所への輸送能力が一段と不足する可能性がある。

 米国ではノースダコタやテキサスにおける原油生産量が1988年代以降で最高水準に達しているが、パイプラインの敷設が追いつかないため、鉄道による輸送量が記録的に増えている。特にノースダコタの生産業者は東部や西部に原油を送って混雑するメキシコ湾岸の製油所を避けようとするため、鉄道輸送に大きく依存している。

 一方、軽質原油から出るガスが原因で列車事故の後に爆発が起こるなら、同じ性質の石油がパイプラインから漏れた場合にも爆発が起こる可能性がある。大手パイプライン3社はこれまでに政府に対して、有害で可燃性の高い硫化水素が多く含まれるノースダコタの原油が集積施設に運ばれ、労働者のリスクを高めていると警告した。

 3社のうちエンブリッジは昨年、ノースダコタ州バースホールドの鉄道ターミナルに運ばれる原油に高濃度の硫化水素が含まれていると連邦エネルギー規制委員会(FERC)に報告しており、FERCは同年6月、硫化水素が大量に含まれる原油に関するバイプライン輸送の制限を認めている。

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