松陰の辞世、井伊家側に 弾圧の一方で評価
- 2014年1月23日
- 日本発ニュース
【共同】幕末の思想家で、安政の大獄で処刑された吉田松陰(1830〜59年)が自筆した辞世の句が、国学者長野主膳の手紙の巻物に貼り付けられていたのが見つかった。京都市の井伊美術館が23日に発表した。
長野主膳は安政の大獄に際し、大老井伊直弼の信任が厚かったとされる家臣。直弼の国学の師も務めた。辞世の句は山口県文書館(山口市)所蔵の「吉田松陰絶筆」とほぼ同じ文言。弾圧側が処刑する者の辞世を取り寄せ、保管するのは異例で、学者としての松陰に注目していたことがうかがえる。
井伊美術館によると、句は縦27.5センチ、横19.5センチの和紙に「此程に思定めし出立はけふきく古曽嬉しかりける」(死を覚悟しており、今日やっとその日が来てうれしいという意)と記されていた。
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