エックスボックス・ワンに各種の特典 〜 マイクロソフト、販売鈍化に苦心

 新型の据え置き型ビデオゲーム機市場競争において、ソニーのプレイステーション4がマイクロソフト(Microsoft)のエックスボックス・ワン(Xbox One)を圧倒しているとみられるなか、マイクロソフトは巻き返しを図るための値引きや特典提供を実験的に実施する方針を打ち出した。

 インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、マイクロソフトは英国市場において、小売価格を429ポンド(714ドル)から399ポンド(664ドル)に引き下げ、2月28日から英国市場限定で適用した。

 プレイステーション4の英国価格は349ポンド(581ドル)で、エックスボックス・ワンの引き下げ価格よりまだ安い。

 かたや米国市場では、マイクロソフトは、発売が待たれる人気ゲーム「タイタンフォール(Titanfall)」をエックスボックス・ワン購入者に無償提供する。エックスボックス・ワンの米国価格は499ドルのままだ。

 タイタンフォールはEA(Electronic Arts)が開発するゲーム・ソフトウェアで3月11日に60ドルで発売される予定。

 一方、小売チェーン大手によるエックスボックス・ワン向け特典も始まった。ウォルマートではエックスボックス・ワン購入者に50ドル分のゲーム購入用クレジットを提供し、ターゲットでは50ドルのギフト・カードを提供する。

 プレイステーション4とエックスボックス・ワンは、2013年秋に発売された後、歳末商戦において好調な滑り出しを記録した。しかし、2014年に入ってからは、プレイステーション4がエックスボックス・ワンを大きく上回る売れ行きを続けている。

 ソニーは、2月8日時点で530万台を売り上げ、3月末までに500万台という当初の目標を簡単に達成したことを2月18日に発表。一方のマイクロソフトは、12月末時点で300万台を売り上げたことを1月8日に発表して以来、販売台数を公表していない。

 販売台数を公表しないことは、売れ行きの劇的鈍化を示すもの。それに加えて今回、小売価格の引き下げやゲーム無償提供、小売チェーン大手による特典提供によって、マイクロソフトがエックスボックス・ワン販売を刺激しようと苦心していることが明らかとなった。

 業界専門家らの間では、プレイステーション4の米国小売価格399ドルに対して、エックスボックス・ワンが499ドルと100ドルも高いことが一因だと指摘する。

 国によって価格は大きく異なるが、どの国でもエックスボックス・ワンのほうがプレイステーション4より100ドル以上高いことに変わりはない。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る