NY市警、警官にタブレット配布へ 〜 出先からデータベースに迅速アクセス

 ニューヨーク市警(NYPD)は、警官がどこからでも迅速に警察のデータベースにアクセスできるよう、専用のモバイル・アプリケーションを搭載したタブレットを警官に配布する計画だ。3ヵ月以内にその試験運用を開始する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同アプリケーションをは、逮捕記録から911通報(日本の110番に相当)のリアルタイム・テキストに至る全ての情報が入ったNYPDのドメイン・アウェアネス・システム(DAS)に接続される。

 それによって、従来なら署内でなければ入手できなかった情報に、警察車のなかや歩きながらでもタブレットを使ってアクセスでき、職務効率や警官の安全性を向上できる。

 たとえば、911通報に対応する警官は、その住所の関係者に対して発行された令状の有無や銃携行許可発行の有無といった情報を入手でき、犯罪歴や武器所持可能性を含むその場所の状況や環境に関する背景全体像を把握できるようになる。

 また、捜査中なら、路上の監視カメラで撮影された映像や、市内に設置されている各種検知器類の目盛りを確認できる。

 現在、NYPD警官らは、主に警察無線を通してそうした情報を受け取っている。

 何台のタブレットを導入するのか、どの警官に配布するのか、移動中にどこに保管するかについては今後決められる。

 NYPDのIT担当者は、「向こう4週間はアプリケーションの調整に集中する」「できるだけ使いやすくしたうえで試験運用を実施し、警官からの反応や感想をふまえ、より大規模の導入に踏み切る」と説明。

 DASは、マイクロソフトが作成し2012年8月に投入されたもの。NYPDとマイクロソフトはその際に、各種情報をモバイル化する方法を想定していた。

 同計画に使われるタブレット機種については未発表だが、DASがマイクロソフトによって開発された事実を考慮すれば、ウィンドウズ系の機種になることが予想される。

 全米では、マサチューセッツ州ローウェルやオレゴン州コーバリスといった小さな都市の警察がタブレットを警官たちにすでに配布している。

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