ソフトバンク、米国でのペッパー販売を計画 〜 ロボット事業を国際展開へ
- 2014年9月3日
- ハイテク情報
孫正義氏率いるソフトバンクは、「ペッパー(Pepper)」という名前の人型ロボットを米国内のスプリント(Sprint)営業所で2015年夏から販売する計画を明らかにした。
サウス・カロライナ・モーニング・ニュース紙によると、ソフトバンクは事業の多角化と国際化に注力しており、その一環として、技術事業を従来型の電子製品工場以外に拡大させるとともに、近い将来に到来するだろうと期待される消費者向けロボット市場での先行優位の基盤構築を狙う。
ソフトバンクロボティクスの冨澤文秀社長(41)は、金融業界や食品、教育といった業界の300〜400社からペッパーに関する問い合わせを受けている、と話した。
言語認識アルゴリズム技術に基づいて人との会話を可能にするペッパーは、日本では2015年2月に19万8000円で発売される。米国での小売価格はまだ設定されていない。
220億ドルを投じて2013年夏にスプリントを買収したソフトバンクは、TモバイルUSを買収してスプリントと合併させることで、米携帯電話サービス業界2強のベライゾンとAT&Tに対抗できる第三勢力になることを画策したが、米司法省と連邦通信委員会の承認が下りないと判断し、同案を断念したばかり。
それを受けて、単独での経営再建と競争を強いられるスプリントは、携帯電話サービス営業所をペッパーの販売網として活用することで、新たな収入源の確保を模索する。
ソフトバンクは、グーグルがアンドロイドOSによってスマートフォンを走らせる方法と似た技術によって、ペッパーを操作できるソフトウェアを開発している。
ソフトバンクでは、レイザー検知器と12時間もつ電池を搭載するペッパーを、いずれは医療業界や教育分野、消費者の家庭に普及させようと狙っている。
また、3000万体のロボットが9000万件の雇用に取って代わることで労働生産性が向上し、人はロボットの監視や操作、保守といった管理業務のほか、非製造業務での仕事に従事するようになる、と孫氏は指摘する。
ペッパーは、ソフトバンクが買収した仏アルデバラン・ロボティクスが開発したもので、ソフトバンクは今年7月に、ペッパーの開発および販売事業の専門子会社としてソフトバンクロボティクスを設立した。
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