銃乱射、大量殺傷事件が増加〜06年以降は月1件以上

 多数の犠牲を伴う銃器の乱射事件が増加傾向にあることが、連邦捜査局(FBI)のまとめで分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、単独犯が人の多い場所で意図的に殺人を行った、または行おうとした「先鋭的銃撃犯(active shooter)」による事件は2000年から13年までに160件発生した。このうち00〜06年は年平均6.4件だったが、06〜13年は16.4件にペースが速まっている。期間中の死者は486人、負傷者は557人に上った。

 多くの乱射事件はわずか数分で終息しており、23件は2分以内、3分の2は警察が到着する前に終わっている。犯行の動機はさまざまだが、犯人の心理状況は共通することが多く、FBIの行動分析専門家によると、個人的に深い苦悩を抱え、個人や組織に対する壊滅的な暴力行為が唯一の救済策と考える人物が犯行に及ぶ。また、犯人らは乱射によって瞬間的な全能感や支配感を得られるという。

 乱射事件が最も多かった年は、コロラド州オーロラの映画館やコネティカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校など21件が発生した12年で、通年で90人が死亡、118人が負傷した。その後は、オーロラやニュータウンなど他の乱射事件の模倣犯も多い。

 事件が多発した結果、近年は教師を訓練し緊急時の避難方法などを練習する学校も増えており、FBIも12年以降は警察や職場で大規模な銃乱射事件に備えた訓練をするよう奨励している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る