有資格の新興企業にアジュールを無償提供 〜 マイクロソフト、AWSに挑戦

 マイクロソフト(Microsoft)とシード・ファンドおよびアクセラレーターのYコンビネーター(Y Combinator)は、初期段階にある新興企業向けの新たな支援プログラムを立ち上げた。

 テッククランチ誌によると、両社が提供するプログラムでは、マイクロソフトのクラウド電算サービス「アジュール(Azure)」を使うための総額50万ドル分のクレジットが有資格新興企業に供与される。また、新興企業は向こう3年間にわたってオフィス365に無制限にアクセスできる。

 Yコンビネーターによると、新興企業は、アジュールを使うことによってリナックス(Linux)やOSS、ノード・ドット・ジェイエス(Node.js)、PHP、パイソン(Python)、ドット・ネット(.NET)を利用できる。アジュールが提供する強力なパース(PaaS=Platform-as-a-Service)を使えることは新興企業にとって非常に魅力的だ。

 Yコンビネーターは、自社が支援および投資する新興企業を育成するために、ほかの大手とも類似の提携を結んでいる。たとえば、アマゾン(Amazon)との提携では、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)を使うための10万ドル相当の支援をアマゾンから調達して新興企業に提供している。

 そのほか、デジタル・オーシャン(Digital Ocean)から1万ドル、へロク(Heroku)から5万ドルのクレジットを新興企業に与える支援も確保している。

 マイクロソフトが支援する価値は、他社に比べて圧倒的に大きい。新興企業らはアジュールを無償で使えることで、その分を技術革新や販促といった別の使い道に有効活用できる。

 ただ、シリコン・バレーの新興企業のあいだでは、企業用クラウド・サービスとしてはアジュールよりAWSの方が圧倒的に人気が高い。マイクロソフトがYコンビネーターとの共同で新興企業支援に乗り出した背景には、AWSに対抗する狙いがある。

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