AZ州で光ファイバー通信が遮断〜ネット社会の弱さ浮き彫りに

 アリゾナ州で先週、インターネット接続業者センチュリーリンク(CenturyLink)の光ファイバー・ケーブルが何者かによって切断され、広範囲でネットや電話などが一時的に利用できなくなった。この事件で現代社会がいかにネットに依存しているかが鮮明になり、通信基盤の弱さに関する懸念も浮上している。

 AP通信によると、センチュリーリンクが最初に「ネット不通」の報告を受けたのは2月25日正午ごろ。間もなくフェニックス市北部からフラッグスタッフ、プレスコット、セドナなどに至る広い地域から苦情が殺到した。技術者が急いで問題の場所を特定し、応急処置を施したため、午後6時半までには一部でサービスが回復し始め、26日午前3時頃には完全復旧した。

 ケーブルが切断されているのが見つかったのはフェニックス北部の岩砂漠の川底部分で、車で簡単に行ける場所ではなく、ケーブル自体も地下数フィート埋設されていた。センチュリーリンクは破壊行為と見ており、警察が調べている。

 フラッグスタッフでは、サービス復旧まで6万9000人が影響を受け、ネットが利用できないだけでなく、商店ではクレジットカードが使えず、銀行のATMで現金を引き出すこともできなくなった。市庁舎では電話が使えず、警察や消防署の通信司令室は州公安局の助けを借りた。フェニックスのテレビ局では、気象情報が届かず、夜のニュースの天気予報では天気図の中に通常表示される各地の気温が空欄となった。

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