虹彩認証でスマートフォンをロック解除 〜 富士通、MWCで試作機種を披露

 富士通は、虹彩認証システム搭載スマートフォンの試作機を開発し、バルセロナで2日に開幕したモバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress=MWC)で披露した。同技術は、スマートフォン画面を見た利用者の虹彩を一瞬で読み取り、ロックを解除する。

 富士通によると、スマートフォンで画面ロックを解除する従来方式では暗証番号入力や指紋認証が主流で、虹彩認証による解除技術は業界初だ。同技術によって、使いやすさとセキュリティーの向上を期待できる、と富士通は説明している。

 コンピュータワールドによると、試作機種には、スマートフォン画面の左上に小型の赤外線LED照明と右上に赤外線カメラが搭載されている。

 利用者は、「ガイダンス・アップ」を利用し、自分の虹彩パターンをスマートフォンに登録する。登録するためには、赤外線LED照明で利用者の虹彩に赤外線を照射し、赤外線カメラで眼球部分を撮影する。虹彩パターンは指紋と同様に個人特有だ。

 富士通の虹彩認証技術は、利用者がメガネやコンタクト・レンズを装用中でも機能する。

 従来の虹彩認証システムの場合、認証システム(この場合はスマートフォン)を目から数センチ程度まで近づける必要があったが、富士通のシステムではそこまで近接させなくてもよい。

 試作機種には、カリフォルニア州拠点のデルタID(Delta ID)の高速および高精度虹彩認証アルゴリズムが採用された。富士通によると、誤差率は10万分の1程度。

 試作機種に搭載された虹彩認証技術は、アプリケーションのロック解除やクラウド認証にも使える可能性がある。富士通は、指紋や静脈認証技術にならぶ法人向けセキュリティー・ソリューションへの応用も検討している。

 富士通は、2016年3月31日締めの2015年度中に虹彩認証技術を製品化したい考えだ。

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