IBM、検知器データ解析事業に30億ドルを投資 〜 気象情報大手とも提携

 IBMは、新設したデータ関連事業に向こう4年間で30億ドルを投資する計画を明らかにした。新事業では、企業による各種の検知器やスマートフォンからのデータ収集と解析を支援する。

 IBMはまた、天気予報提供のケーブル局ウェザー・チャンネル(Weather Channel)を所有するウェザー・カンパニー(Weather Company)と業務提携を結び、企業や事業主の意思決定を支援する天候データ活用サービスを共同開発する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、新事業への投資は、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)関連事業の強化を狙った一連の取り組みの最新版だ。

 新部門では、新アプリケーションの開発や既存アプリケーションへのリアルタイム・データと解析機能の追加を可能にするクラウド・サービス対応の「IoTファウンデーション(IoT Foundation)」というソフトウェアを活用する。

 IBMでは従来のソフトウェアとITサービス事業の売り上げ成長率が鈍化しており、人工知能のワトソン(Watson)をはじめとするデータ解析用ソフトウェアやプログラムの販売と、複数のデータ源からの異種データの収集と解析技術の強化を進めている。

 その一環として、2014年にツイッター(Twitter)と提携し、ツイートの取捨選択や分析を支援する企業向けサービスの提供で合意している。IBMはそれにもとづくツイート分析サービスを先日発表した。

 一方、ウェザー・カンパニーとは、保険やエネルギー、小売り、ロジスティクス業界を対象に、天候データを活用して意思決定に役立てるアプリケーションの開発で協力する。

 ウェザー・カンパニーは、天候検出器から収集するデータを活用し、タイムリーかつローカルの天候予報の提供に取り組んでいる。

 地域ごとに詳細の気象情報を提供することで、たとえば農家は、あられが降る地域をより正確に予想し備えることが可能になる。

 IBMによると、IoTファウンデーションは複数の企業ですでに利用されている。たとえば、エンジン製造のカミンズ(Cummins)とユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies)のプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)部門は、エンジンから収集するデータを故障予兆の察知によって故障防止に役立てている。

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