高級食品がより一般的に〜大手ブランドの領域を浸食

 高級食品の人気が高まり、より一般的になっている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、高級食品とは、品質の高いコーヒー豆や輸入チーズなど供給量が限られている食品または外国産の食品を指す。高級食品協会(SFA)の推計では、2014年の小売売上高は512億3000万ドルに上り、食品小売り全体の15%を占めたと見られる。12年は12.7%、13年は13.7%だった。SFA推計にはスーパーマーケット・チェーンのホール・フーズ・マーケットとトレーダー・ジョーズのデータが含まれないため、売上高はもっと多い可能性がある。

 近年は、消費者の好みがより自然で未加工、地元産の食品に移っているため、生鮮雑貨店も新しい小さなブランドに目を向けるようになっている。オランダの農業金融機関ラボバンク(Rabobank)の食品アナリスト、ニコラス・フェレデイ氏は「高級食品は限定市場の域を越えつつある。消費者の好みは上から下へと波及するもので、流行を作る人々の食べる物着る物が、最終的にはウォルマート・ストアズやH&Mでも売られるようになる」と話した。

 投資家もこの点を認識しており、ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースのデータによると、ベンチャー投資家は14年に小規模な食品会社に計2億5890万ドルを投資した。これはそれ以前の2年間の合計を上回る。

 小さな企業の台頭は大手食品ブランドの需要に影響を及ぼし、その将来に影を落としている。2年前にブラジルのプライベート・エクイティ会社3Gキャピタル・パートナーズに買収された食品大手H・J・ハインツは先月、約490億ドルで同業のクラフトを買収する計画を発表した。

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