大塚製薬、FDAに敗訴〜後発薬認可は合法と連邦地裁

 大塚製薬は、連邦食品医薬品局(FDA)が同社の抗精神病薬「エビリファイ」のジェネリック(後発コピー)版製造を認可したことに異議を唱えていた裁判で敗訴した。

 ロイター通信によると、FDAは今年4月末、イスラエルの製薬大手テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズなど数社が提出していたエビリファイのジェネリック製造申請を承認した。これに対し大塚製薬は「エビリファイは小児トゥーレット症候群の治療薬として認可された際、オーファン・ドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けており、2021年まで独占製造権があるはず」と主張して提訴、承認の差し止めを求めていた。

 FDAはオーファン・ドラッグについて、ジェネリックを認めては巨額のコストをかけて開発したメーカーの利益にならない可能性がある場合に数年の独占販売期間を与えている。しかしメリーランド州の連邦地裁のジョージ・ヘイゼル判事は5月27日の判決で、「エビリファイは小児用以外の使用を認められており、これに関してはオーファン・ドラッグとしての保護を受けられないためジェネリックの製造が認められる」と説明した。

 エビリファイは統合失調症やそううつ病の治療薬としても認可されており、これに関する特許は15年4月に期限が切れている。大塚製薬は現在、判決への対応を検討中。

 エビリファイは米国ではブリストル・マイヤーズ・スクイブが販売しており、15年1〜3月期は5億5400万ドルを売り上げている。

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