カルソニックカンセイ、6分野で製品多様化へ

 2017年の業績目標を達成する勢いのカルソニックカンセイは既に、多様化を最重要課題に掲げたその先の中期計画を見据えている。

 オートモーティブ・ニュースによると、森谷弘史社長は「顧客ベース、経営陣、製品ライン」の多様化が必要と話す。カルソニックカンセイにとっては、売り上げの42%を依存する日産自動車以外の顧客開拓が急務だ。経営陣の構成も、各国に配置されている計23人のうち日本人以外は3人に過ぎない。

 森谷社長は残る製品の多様化について、コンプレッサ、内装、電子、熱交換、温度調節、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の6分野で新製品の開発を進めると話す。同社はHUDを生産していないが、持ち前の電子と内装の専門知識を組み合わせた「シナジー」(森谷氏)は様々な可能性につながる。

 コックピット事業の場合、製品の大半がデザイン中心でブランドのアイデンティティと関わっているため、カルソニックカンセイが日産以外の顧客を獲得するのは困難だ。それでも森谷社長によると、ラジエータやコンプレッサ、エアコンなど視界に入らない部品には販路拡大のチャンスがある。

 厳格化する燃費規制も技術革新につながる。例えば、カーエアコンの大半はエンジンによる油圧式が一般的だ。油圧式は燃費にはマイナスだが、車載バッテリではコンプレッサを動かすのに力が十分ではないので不可欠とされてきた。しかし、エンジンの代わり電池が動力源の電気自動車(EV)向けに電動コンプレッサが台頭する中で、カルソニックカンセイはハイブリッド車(HV)にも活用できる電動コンプレッサの開発を進めている。

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