オンライン百貨店最大手のアマゾン(Amazon.com)とアップル(Apple)は、あたかも一騎打ちしているかのように、拡張現実(Augmented Reality=AR)関連特許の出願競争を繰り広げている。
その背景には、居間のデジタル化に関する次なる市場として、ARが大きなカギとなるという見方がある。
ARは一般に、物理的環境にデジタル情報を付加することで、実在世界を拡張する技術を指す。ちなみに、仮想現実(VR)は、コンピュータ情報によって人工的に構築した環境をあたかも物理的実在物のように感じさせる技術を指す。
コンピュータ・ビジネス・レヴュー誌によると、アマゾンが米国特許商標庁(USPTO)に出願した最初のAR関連特許は、光線を使って拡張現実情報を居間内に投射する技術と、それによって三次元環境を追跡する技術だ。同技術は、手の複数の部位をカメラで認識して制御する仕組みで、利用者はそれによって、手振りで機器を操作できるようになる。
アマゾンはさらに、利用者の感覚によって仮想環境を室内に投射する技術の特許も出願している。
一方、アップルは、投影(または投射)機能に関する特許を出願している。アップルが2012年12月に出願した投影技術は、ARを使ってデジタル・コンテントを実写に近いものに見せることを可能にする。
出願書類によると、アップルの投影技術は、たとえば、実在しないテーブルがあたかもそこにあるかのように投影でき、さらに、利用者の場所や視角によって、投影物を変化させることができる。
アップルは、AR技術開発の新興企業メタイオ(Metaio)を買収したほか、マイクロソフトのホロレンズ(HoloLens)を開発した技術者を雇用しており、AR技術の開発や商品化を積極化させている。
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