バイトグリッド、医療向け規制遵守サービスを拡充 〜 買収企業の機能統合で

 医療業界向けクラウド・サービス新興企業のバイトグリッド(ByteGrid、ワシントンDC郊外のバージニア州北部拠点)は7日、規制遵守クラウドやコーロケーション・サービス、ホスティング・サービスを大幅に拡充した。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、バイトグリッドのサービス拡張は、規制遵守サービスに特化した新興企業サイダス・バイオデータ(Sidus BioData、メリーランド州拠点)を買収したことを受けた動きで、規制の多い医療業界における商機を開拓する成長戦略の一環だ。

 米医療業界はこの数年、事務業務のデジタル化が進められている一方で、それにともなう患者情報保護に関する規制も強化されている。その結果、医療機関や病院では、医療データや患者情報のセキュリティーおよびプライバシーに関する規制準拠に迫られている。

 それが、医療業界向けクラウド・サービスやデータ・センター業者による市場進出とサービス拡張を刺激し、医療業務や生命科学の分野における規制遵守ITサービスの競争激化と業界内再編をもたらしている。

 バイトグリッドによるサイダス・バイオデータ買収とサービス拡充はそれを象徴する直近の動きと言える。

 バイトグリッドが発表した新サービスは、同社が使っている9ヵ所のデータ・センターで稼働するコーロケーション・データ・センターやマネージド・ホスティング、クラウド・ホスティングといった各種のサービスを連携させて顧客(医療機関や病院)にオンライン提供される広範にわたる規制遵守サービスだ。

 もともとはデータ・センターの卸売(末端利用者ではなくクラウド・サービス業者にデータ・センター・サービスを販売すること)業者だったバイトグリッドは、ネットリヴァー(NetRiver)という新興企業を2014年に買収し、マネージド・サービスを拡充させている。

 バイトグリッドの新サービスは、ネットリヴァーのサービスを、のちに買収したサイダスのサービスと統合することで、医療業界向けの規制遵守サービスを拡充した格好だ。

 新サービスは、米食品医薬品局(FDA)のプライバシーおよびセキュリティー規制に医療機関や病院が準拠できるようにするオンデマンド型のクラウド・サービスが中心となっている。

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