平均的な米国人は1日に5時間以上テレビを見ているが、近い将来その時間はユーチューブなどのオンライン動画サービスに奪われる可能性がある。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、ユーチューブのロバート・キンシル事業運営担当責任者は「デジタル動画は、2020年までにテレビ、音楽鑑賞、ビデオゲーム、読書などを抜いて米国人にとって最大の余暇の使い方になる」と予想している。
テレビ視聴時間はこの数年比較的安定しているが、オンライン動画の視聴時間は毎年50%以上のペースで拡大しており、ニールセンのデータでは、若い層だけでなく14年は35〜49歳のグループで前年比80%、50〜64歳で60%も増加している。
この一部はラップトップ、タブレット、携帯電話などでテレビ番組を見ており、15年第4四半期には60万人以上がケーブルTVサービスを解約し、ネットフリックス、フールー、HBOナウといったオンライン・サービスを使ったコンテントの受信に切り替えている。
しかし、その他のオンライン動画も人気が高く、スウェーデン人の人気ユーチューバーであるフェリックス・チェルベリ(PewDiePie)さんは、110億以上の再生回数を記録し、14年だけで740万ドルを稼いだ。
また、カーリー・レイ・ジェプセン、サイ、ジャスティン・ビーバーといったミュージシャンはオンライン・ビデオがレコード会社幹部の目に止まった後に大ブレイクしており、米国のティーンの間ではユーチューブのスターの方が映画やテレビのスターよりも知名度が高い。
ユーチューブ、ネットフリックス、アマゾンなどの新メディアはこうした流れに乗じて、従来のライブTVの代わりにオンライン動画の視聴拡大を促進。ユーチューブは15年、月10ドル足らずで広告なしのコンテントが見られるサービス「Red」を開始し、ネットフリックスは16年にオリジナル番組を倍増する計画で、アマゾンも独自の長・短時間動画向けプラットフォームを開発中だ。
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