自動車部品をバイオ素材で 〜 各社が研究、積極採用

 インドでは、ジュート繊維で作った複合材料をドアパネル、ダッシュボードなどの内装に使う自動車メーカーが増え、昨年の加工または圧縮成形用ジュート繊維の業界消費量は100トンに達した。メルセデスベンツ、フォード、トヨタ、テスラ、クライスラーが含まれる。

 ■目指すは軽量化

 サプライヤービジネスによると、ジュートに限らず、生物由来の複合材料(bio-based composites)を自動車に使ってみようというメーカーが増えている。石油ベースの材料に比べてバイオ素材が特に優っている点として、まず価格の乱高下が少ないことが挙げられる。プラスチックやポリマー(高分子化合物)のメーカーが従来の石化原料からバイオ素材などの代替材料に移っているのもこれが理由だ。

 また、ある種のバイオ素材は生物分解性で、水や二酸化炭素、バイオマスやメタンへと分解される。これは厳しい排ガス規制への適合を目指す自動車メーカーにとって大きな利点となる。ただしポリマーはその構造が重要で、砂糖由来のポリエチレンは生物分解性ではないが、ポリヒドロキシアルカノエートは生物分解性だ。

 車の軽量化を目指す中で、各社はさまざまな変わった材料を試している。コンチネンタルの工業用ホースとコンベヤーベルト事業、コンチテック(ContiTech)は、タンポポ由来の天然ゴムが防振材や緩衝材に使えるか、試験を行っている。

 フォードも食品大手ハインツと提携し、トマトの繊維で自動車部品用の素材の開発を始めている。フォードは小型スポーツ多目的車(SUV)「エスケイプ」で、ドアの内部素材に熱帯性植物のケナフを石油由来の材料に代えて使ったことがある。

 フランスの部品大手フォルシア(Faurecia)は、同国の農協と折半出資で合弁会社を設立し、麻(ヘンプ)などの天然繊維を使った自動車部品用素材の開発・製造計画を発表している。

 ■耐久、耐熱性にも期待

 新素材を使った部品で最も気がかりなのは耐久性と耐熱性だが、金属に代わるプラスチック製品や複合材の開発は進んでおり、潜在的な可能性はかなり大きい。例えば、三菱化学が開発した植物由来の工業用プラスチック(エンジニアリングプラスチック=エンプラ)の新素材デュラビオ(Durabio)は、衝撃や熱、気象条件への耐性が従来のエンプラより高い。

 コンチテックも昨年、さまざまな非従来型素材の製品を発表しており、中でも車体下部で変速機を支える「リアアクスル・トランスミッションクロスビーム」には、独化学大手BASF製のガラス繊維強化ポリアミドを採用した。これで従来の鋳造アルミ製に比べて30%の軽量化を実現している。また、同社の新しい規格型ターボチャージャー・ホースは高機能プラスチック製で、これまでの鋼鉄のパイプより15%軽く、ディーゼルとガソリンエンジンの両方に使える。

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