2013年に起業されたマークフォージド(MarkForged、マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点)は、炭素繊維複合材料を立体加工する新種のプリンターを開発し、製造業界の一部で注目されている。
航空機や競争車に使われる炭素繊維は、鋼やアルミよりも強くて軽い優れた材料だが、値段が高く、加工にも手間がかかるという難点がある。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マークフォージドの立体印刷機を使えば、「プラスチックのコストで(加工でき)金属の強度を実現できる」と、グレッグ・マーク最高経営責任者(CEO)は話している。
マークフォージドの立体印刷機の価格は5000ドル。マーク氏によると、少なくとも自動車メーカーの1社が車両製造機械の部品を同社製の立体印刷機で作っている。同社のウェブサイトには、日産自動車が顧客として記載されている。
機械工業の業界では、コンピュータ化された研磨機を工員が操作して金属の塊を削って部品を作るのが一般的だ。
マーク氏によると、研磨加工した金属部品を、同社の立体印刷機で加工した炭素繊維複合材料部品に置き換えることによって、メーカーらは新製品案を従来の数週間ではなく数日で試すことができるようになる。
一方、シカゴ拠点のインポッシブル・オブジェクツ(Impossible Objects)は、多種多様の材料に対応する立体印刷(積層造形)機を開発した。絹やポリエステル、ケブラー、綿、炭素繊維といった複数種の材料と、立体印刷可能のプラスチックを組み合わせて処理できるのが特徴だ。
インポッシブル・オブジェクツの積層造形技術は従来技術と異なり、物体を一層ずつ印刷する代わりに、すべての層を一度に、材料の大型シートの上に二次元印刷し、その後、層を切り離してそれらの層を積み重ねて成形する。
同社技術の基本はインクジェット・プリンターと同じで、プリントヘッドからプラスチックの極小液滴を高速で噴射する。
インポッシブル・オブジェクツのロバート・シュワルツ創業者兼最高技術責任者(CTO)は、同社技術が平面印刷技術にもとづいていることから、将来には高速印刷が可能になり、印刷コストを抑えられるだろうと期待する。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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