アップル(Apple)のコンピュータ製品「マッキントッシュ(マック)」でのランサムウェア感染が初めて確認された。
ランサムウェアは、感染したコンピュータ内にあるデータを暗号化してそれを人質にし、その暗号化データをまた使えるようにするために身代金(ランサム)を要求する手口に使われるソフトウェア。
ロイター通信によると、ランサムウェアを使った手口は、昨今に急拡大しているサイバー攻撃の手法の一つで、セキュリティー専門家によると、被害総額は年間数億ドルに上ると推測される。
ランサムウェアはこれまで、ウィンドウズOSで走るパソコンをおもに狙ってきたが、米セキュリティー技術大手パロ・アルト・ネットワークスによると、新種のランサムウェア「ケーレンジャー(KeRanger)」に感染したマックが先週金曜日に確認された。マックがランサムウェアに攻撃されたことが発覚したのは今回が初めて。
感染経路は、P2Pファイル共有網「ビットトレント」のデータ送信に使われる人気の高いプログラム「トランスミッション(Transmission)」。金曜日にリリースされたばかりのその新版2.9をダウンロードした際に感染した。
アップルは、感染拡大阻止対策として、 同ソフトウェアのマックへの実装を認めるデジタル認証を取り消した。また、マルウェアが潜んでいたインストーラーも除去され、感染したマックからランサムウェアを自動除去するトランスミッション2.92版が日曜日にリリースされた。
パロ・アルトによると、ケーレンジャーは、感染後3日間には何も起きない潜伏期間がプログラムされており、その後、感染したマックが攻撃者のサーバーに接続され、そのマック内のファイルが暗号化され初め、利用者がデータにアクセスできなくなる。その時点で、仮想通貨1ビットコイン(約400ドル)の身代金が要求されてくる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる