海運業界の再編が加速 〜 相次ぐ合併、提携にも影響

 海運業界は大手の合併によって業界再編が加速しており、アライアンス(国際提携)の構成にも大きな影響を与える可能性が出てきた。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、2015年12月にフランスのCMA CGMがシンガポールのネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)の買収を発表。今年は中国の中国遠洋運輸集団(Cosco)と中国海運集団(CSG)が合併した。欧米の規制当局はこれらの合併の可否を審議中で、欧州委員会(EC)はCMA CGMとNOLの合併に関する決定を4月29日までに下す見通し。米国連邦海事委員会(FMC)のウイリアム・ドイル委員は「向こう2週間で業界のアライアンスが大きく変わる可能性がある」と見ている。

 CMA CGMは現在、CSGのコンテナ部門チャイナ・シッピング・コンテナ・ラインズ(CSCL)およびアラブ首長国連邦のドバイを本拠とするユナイテッド・アラブ・シッピング(UASC)と「オーシャン・スリー」アライアンスを構成し、アジア〜欧州航路で22%のシェアを持っている。一方、Coscoはアジアの業者と組んだ「CKYHE」で25%のシェアを持つ。

 また、業界最大手デンマークのAPモラー・マースクとスイスのメディタレニアン・シッピング(MSC)による「2M」は34%のシェアを握り、NOLはシェア18%を持つ別のアライアンス「G6」に参加している。

 深刻な海運不況が続く中、アライアンスは船舶、ネットワーク、ポートコールなどを加盟社が共有し、多額のコストを節約している。CMA CGMのロドルフ・サーデ副会長は2月、「当社はより大きな海運会社になりつつあり、パートナーを選べる立場にある」「新生CSGと協議中だが、それ以外とも協議している」と話した。また、NOLに関しては買収後にG6から脱退させる意向を欧州当局に伝えている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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