アマゾン、元物流担当を提訴 〜 現ターゲット、知識流出を懸念
- 2016年4月20日
- アメリカ発ニュース
オンライン小売り最大手アマゾンは、小売り大手ターゲットに移籍した元物流担当幹部を提訴した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、企業間の人材の移動はよくあることだが、アマゾンはこの元幹部が「退社後18カ月間は同業他社で同様の職に就かない」という契約に違反したと主張している。元幹部はアーサー・バルデス氏。16年間アマゾンに在籍して100万ドル以上の年収を得ていたが、この3月、サプライチェーン&物流担当最高責任者としてターゲットに引き抜かれた。
物流や貨物輸送分野では近年、社員の移籍をめぐる訴訟が増えている。2012年にはC・H・ロビンソン・ワールドワイドがXPOロジスティクスを提訴。まだその決着も付かない15年2月、XPOロジスティクスが同業のYRCワールドワイドとR+Lキャリヤーズを訴えている。
訴訟の当事者となった個人はいずれも、移籍先で働き始めている。こうした訴訟の増加は、倉庫のデザイン、在庫管理、配送、データの取り扱いなどサプライチェーンを無駄なく管理するための「物流ノウハウ」が、企業の競争力強化にますます重要になっていることを示している。特に、利益率を犠牲にして市場シェアの拡大を図っているアマゾンのような企業は、高度に自動化された発送センターや輸送業者網の拡大で迅速な配達を提供して顧客を獲得してきた。
XPOは、複数の荷主の貨物を統合して配送するレス・ザン・トラックロード(LTL)業者で、全米にトラック網を持ち、フェデックスなどと競合している。ヘッドハンティング会社ラッセル・レイノルズ・アソシエイツのピーター・オブライエン国際供給網担当者は「この分野はあまりに動きが速すぎて、現時点ではリーダーと言える人材が少ないため、物流や販売担当者の価値が非常に高い」と指摘する。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ