人工知能が食品安全性の文化に貢献 〜 業界団体のeHACCP.orgが調査報告で明示

EINプレスワイヤーによると、食品製造会社に対して求められる食品安全性の管理手法に関してオンライン研修を提供している団体「eHACCP.org」は先日、人工知能が食品安全性にどのように影響するかに関する調査報告を公表し、安全管理体制を拡充するのに貢献するという結論を示した。

▽人工知能が協力相手として機能

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は日本では一般に「ハサップ」と呼ばれ、「危険要因分析および重要管理点」と訳されている。食品の製造業者がその工程に存在する食品安全性上の危険要因を分析し、それにもとづいて工程を管理すべきおもなポイントを定めて実践することを意味する。

eHACCP.orgが発表したプレス・リリースでは、食中毒の予防や関連法令の一貫した遵守、および衛生手順と品質管理、さらに溯及追跡(traceability)のすぐれた慣行の実践をはじめとする食品安全性の文化が、人工知能によって大きく進化すると報告された。

これまで食品安全性の文化を確実に醸成するには、関係者らの教育と研修、安全性を重視する経営陣の姿勢、および徹底した監督体制が欠かせないと認識されてきた。その取り組みにおいて人工知能が短期的に強力な協力相手になりつつある、とeHACCP.orgは説明している。

▽人工知能がもたらす数々の利点

人工知能は、リアルタイムの情報と予想能力をもたらし、人間だけでは実現できない規模で可視性を達成する。肉眼では見ることのできない微細の危険要因を特定し、製造工程全体にわたる数百万というデータ・ポイントの分析を可能にする。また、現場担当者らに応じて個別化された教育&研修を実施することもできる。人工知能が食品安全性の文化に取って代わることはないものの、その文化を強化することができる。

「食品安全性の文化はこれまで、関係者たちがつねに正しいことをする姿勢で達成されてきた。人工知能は、疲れ知らずで非常に賢い同僚として担当者たちを助けることができる」「これは架空の話しではなく、現在、私たちがつくりつつある近未来だ」とeHACCP.orgのスティーブン・ソケット氏は話している。

▽人工知能活用にともなう注意点

ただ、その一方で、人工知能に対して正しい取り組み方を実行しなければ、食品安全性の文化が阻害される可能性もある、とeHACCP.orgは指摘する。たとえば、データの質が悪ければ、人工知能がリスク判断を誤まる可能性がある。その結果、担当者の業務を複雑化するうえ、技術に対する不信感を引き起こし得る。

また、人工知能のコストが高ければ、中小や零細の製造業者は利用できず、業界全体の食品安全性の文化を分断するかもしれない。さらに、人工知能の進化にあわせて規制環境も対応する必要があり、それが遅れれば、業界全体の前進に歯止めをかける可能性もある。そのほか、食品安全性の専門家らが人工知能の能力をよく理解していないという課題も解決していく必要がある、とeHACCP.orgは提言している。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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