米国製品扱う企業も「国境調整」に懸念

 下院共和党が税制改革案に盛り込んだ法人税の「国境調整」に、輸入業者だけでなく「メイド・インUSA」商品を販売する企業も懸念を示している。
 
 シカゴ・トリビューンによると、小売業界では最近、多くの商品を輸入する大手の幹部がトランプ大統領と会談し、課税額が増えれば消費者の支払う金額が上がることになると警告した。一方で、米国製紳士服ブランド「ハート・シャフナー・マークス(Hart Schaffner Marx)」の生産・販売・マーケティングを行うWダイヤモンド・グループのダグ・ウィリアムズCEOも「輸入品に20%の税金がかかると税負担は膨大になり、その一部は客が負担することになる」と懸念している。
 
 婦人服ブランド「スキ&ソレイン(Suki + Solaine)」も、ほとんどの商品は6人の社員が国内で作っているが、必要な良質のプリント布地やニット素材は国内では見つからないため輸入している。
 
 ジョージタウン大学マクドノー経営大学院のブラッドフォード・ジェンセン教授は、米企業を輸出業者と輸入業者と分けることは難しいと話し、大手輸出業者の90%以上は輸入業者でもあり、その逆も同様だと指摘する。地方の小さなメーカーでも、価格の安さや国内では生産されていないといった理由から素材の一部を海外で購入している業者は多く、国境調整案の目的の1つである「米製造業の支援」を複雑にしている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る