2016年にもっとも注目された台頭技術の一つが仮想現実(VR)だが、VRヘッドセットの販売は期待に反して伸び悩んでいる。
ニューヨーク・タイムズによると、高機能の立体ヘッドセットは、高価格と人気コンテント不足、商品の複雑さ、使い心地の悪さが理由で販売が低迷しており、さらに、装着すると乗り物酔いのように気分が悪くなるという難点もある。
スマートフォンの画面を利用する低価格のヘッドセットは比較的売れているものの、機能は大きく制限される。それでも、技術者や初期購入者の大半は現在でも、「VR技術はゲームや映画といった大衆娯楽の楽しみ方をいずれ変える」と期待している。
新興のVR企業に投資しているシグニア・ベンチャー・パートナーズのサニー・ディロン氏によると、現在のVR業界は、「ハイプ・サイクル」でいうところの「幻滅期」に向かっている。ハイプ・サイクルとは、特定技術の成熟度や社会への普及度を表す周期曲線。幻滅期は、新技術への期待が過度に高まる時期が終わり、利点が理解され一般に受け入れられる時期を控えた段階を指す。
VR大手はヘッドセットの販売実績を発表していない。それほど振るわないという実情を暗示している。調査会社のスーパーデータ・リサーチによると、オキュラスは3月の発売以来36万台、HTCは6月の発売以来45万台を売ったと推定される。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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