バックグラウンドチェック(身辺調査)の解説と実施の際の流れ
- 2023年6月8日
アメリカで採用を行う際に良く耳にするのが「バックグラウンドチェック(Background Check)」。日本語では「採用調査」「身辺調査」と言われるもので、日本の採用活動では行われることが少ないものですが、アメリカではごく一般的に使用されています。
バックグラウンドチェックとは?
氏名や生年月日、ソーシャルセキュリティナンバー、又は犯罪歴や教育、職歴などを調査し、本人が履歴書に記載している身元が本当なのかを合法的に確認するもの。これは採用の時に使われるものだけではなく、家を借りる時や銃を購入する際などにも用いられるものです。
今回は、採用時に用いられる「雇用前バックグラウンドチェック(Pre Employment Background Check)」について解説していきます。
どのくらいの割合の人が行っているのか?
NAPBS と HR.com が行った調査によると、2019年は87%の雇用主が全ての正社員に、67%の全てのパートタイム従業員にバックグラウンドチェックを行っています。
バックグラウンドチェックを行う理由
最も大きな理由は安全のため。
他の従業員やをセクシャルハラスメントなどの危険から守ったり、会社の損失や名誉を傷つける行為を事前や防ぐために、採用過程では欠かせないものです。
バックグラウンドチェックの種類
バックグラウンドチェックには数多くの種類があり、その状況に応じてチェックをする内容を選択します。採用時のバックグラウンドチェックの際は、下記のものが多く執り行われます。
- 職歴
- 学歴
- クレジットヒストリー
- ドライビングレコード
- 犯罪歴
- ソーシャルメディア
- ドラッグテスト
犯罪歴(Criminal Record)
暴力や性犯罪、詐欺や横領または重罪などを調査でき、職場環境などを脅かす期間がないかを調べることができます。また、Civil Court Checkでは、犯罪では訴訟や裁判所で取り扱われる小さなケースなどもチェックすることが可能です。
クレジットチェック
候補者のクレジットヒストリーを確認するもので、支払いのヒストリーや未払いの請求書、さらに破産歴などをみることができます。この内容は、資産を扱ったり高額の金融取引に携わるポジションの採用には参考にしたい項目と言えるでしょう。
ドライビングレコード
運転免許書の法的有効性や過去の運転に関する履歴を確認することができます。具体的には飲酒運転や免許停止、交通違反に関するもので、特に業務上運転が必要となるポジションの採用決定には大きく関わるレコードです。
薬物テスト(Drug Screening)
日本ではあまり馴染みのないものですが、処方された薬物や違法ドラッグの使用がチェックできます。
アメリカは違法ドラッグが蔓延して歴史的な社会問題になっています。採用時だけでなく、定期的な抜き打ちの薬物テストが行われることも稀ではありません。
バックグラウンドチェックの方法
現在はオンライン上で簡単に行うことができるんです。いくつか有名どころを記載しますね。
Goodhire
https://www.goodhire.com/
American DataBank
https://www.americandatabank.com/employment-screening/
Background Checks .com
https://www.backgroundchecks.com/
利用料金は?
安いものでは1回のチェックにで$30程で可能で、1回ずつの実施もできますが、一括で多数を行うことでディスカウントが効くプランもあります。参考にGoodhire.comの料金表はこちら。
バックグラウンドチェックの流れ
採用時のバックグラウンドの際には、候補者の氏名、生年月日、ソーシャルセキュリティナンバーと現在の住所が必要となります。
バックグラウンドチェックをする際は、事前に候補者にその旨を周知し、同意をもらう必要があります。Goodhireのようにバックグラウンドチェックを行う企業が資料を提供しているケースもあるので参考にしましょう。
バックグラウンドチェックの注意点
バックグラウンドチェックの結果が原因で雇用に関係してくる場合、候補者に反論する時間を与える必要があります。バックグラウンドチェックの内容が正確ではない可能性も考えられますよね。
州ごとの法律
また、各州ごとに準拠すべき法律が異なるので注意が必要。例えば、カリフォルニア州の場合、FAIR CREDIT REPORTING ACT (FCRA)に加え、州法やban-the-box法などが関係してきます。州ごとの法律の参考はこちら。
訴訟社会の米国でバックグラウンドチェックの結果が原因で不当に雇用撤回をされたと主張する裁判も多く報告されています。気になることがあるときは、弁護士に相談しましょう。
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