2018年11月1日から約1カ月間、ニューヨークで日本を代表するファッションデザイナー、コシノヒロコさんのアート展が開催される。
コシノさんは、1960年代に現れた「みゆき族」と呼ばれる、アメリカのアイビーに影響を受けたファッションを身にまとう人々を率いた張本人。1978年にはローマのアルタモーダで日本人初のコレクションを発表。イタリア版ハーパースバザー誌が30ページもの特集を組むほど絶賛された。
彼女の創造力の源に常にあったのが、アート。「絵を描いてきたから、私は長い間ファッションを創り続けることができた」とコシノさんは言う。ジャクソン・ポロック、ギュスターヴ・クリムト、タシスム、アジアの水墨や書などから啓示を受け、それをオリジナルの表現として展開して描いた作品は1900点ほど。また、描いた絵画を元にファッションに応用し、衣服にする技も軽々とこなす。「衣服は人を包む体の建築」とも彼女は言う。
このようなアート、ファッション、建築を区別なく一つの創造性として捉える理想は、バウハウスの理念を思い起こさせる。1919年にドイツで設立された学校であるバウハウスは、工芸・デザイン・写真などを含めて美術と建築のすべてを取り入れ、考える総合芸術を目指して設立された。
コシノさんは約40年前、建築家の安藤忠雄氏に依頼して兵庫県芦屋市の山の上に家を建て、創作活動を続けてきた。本展覧会では、その芦屋にあるスタジオで会場のサイズに合わせて描かれた24メートルの墨の作品を初公開。コシノさんの世界を通じて、ニューヨークのアート関係者たちが深い意味で日本の文化を理解するきっかけとなることだろう。
HIROKO KOSHINO: A Touch of BAUHAUS (コシノヒロコ:バウハウスの香り)
キュレーター 佐藤恭子
■会期:2018年11月1日(木)〜12月1日(土)
■会場:WhiteBox (329 Broome Street, New York NY 10002, tel. 212-714-2347)
■オープニング・レセプション:2018年11月1日(木)6:00-8:00pm
■入場料:無料(非営利団体のため、寄付を受け付けております)
※11月1日(木)11〜12時、ファッション工科大学(FIT)でコシノヒロコさんによるレクチャーを予定(場所:Feldman C501, Fashion Institute of Technology)。参加希望者はkyunghee_pyun@fitnyc.edu へ要予約。
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