アップル(Apple)がゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)と共同開発したクレジット・カード「アップル・カード」の運営に関し、性差別の疑いが表面化している。
ベンチャービート誌によると、技術起業家のデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン氏は、アップル・カードを夫婦で申請したところ、妻に認められた与信限度額の20倍が自分に認められたことをツイートした。
ハンソン氏は、ルビー・オン・レールス(Ruby on Rails)というウェブ基盤申請処理技術プラットフォームを構築した人物として知られる。同氏は、自身と妻が認められた与信限度額を公表していないが、夫婦共同所得確定申告をしており、妻のほうが自身より高いクレジット・スコアーの持ち主でもあることを説明した。
アップル・カードは、設計や販促についてはアップルが担当し、カード申請者の与信判断や決済システム網といった運営についてはゴールドマン・サックスが担当している。
クレジット・カード申請者の与信判断には、人工知能基盤のアルゴリズムが活用されている。そのアルゴリズムの設計をどちらが担当したかについてはわかっていない。
アップルとゴールドマン・サックスの広報担当者は取材に応じなかった。
アップルの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック氏も、アップル・カードを夫婦で申請したところ、妻が認められた与信限度額が自身より少なかったことを明らかにした。
女性というだけで、クレジット・カード申請の際の与信限度額が男性より小さくなるアルゴリズムにもとづいて運営される状態が続けば、アップル・カード事業が深刻な打撃を受けることになる。
「いかなるアルゴリズムも、女性やそのほかの人たちを差別すれば、ニューヨークの州法を犯すことになる」とニューヨーク州金融サービス省の報道官は声明を発表し、ゴールドマン・サックスを調査する方針を暗示した。
【venturebeat.com/2019/11/11/goldman-faces-probe-after-entrepreneur-claims-gender-bias-in-apple-card-algorithm/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ
-
米国特許商標庁、出願者らの個人住所流出が再発 〜「不注意」が原因、影響を受けた人たちに通知