米FDA、現代の栄養科学を反映した「ヘルシー」表示の定義を更新

FDA(米国食品医薬品局)は、食品パッケージに使用される栄養表示「Healthy(ヘルシー)」の定義を更新する最終規則を公表した。FDAは、この改定について、消費者が食品の栄養的価値をより正確に理解し、日常の食事選択に役立てられるようにすることを目的としていると説明している。

FDAによると、これまでの「ヘルシー」表示の基準は1990年代に策定されたもので、脂肪やコレステロール、ナトリウムといった特定の栄養素の量に主眼が置かれていた。しかし現在の栄養科学では、健康への影響は個別の成分ではなく、食品全体の構成や食事パターンによって評価される考え方が主流となっている。

FDAは、こうした科学的知見の進展や、米国人向け食事ガイドライン、さらに栄養成分表示における添加糖表示の導入などを踏まえ、「ヘルシー」という表示の見直しが必要であると判断したとしている。

新たな基準では「食品群への貢献」を重視

更新された定義では、「ヘルシー」と表示するために、食品が果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品、たんぱく源など、推奨される食品群を一定量含んでいることが求められる。FDAは、これにより、単なる栄養数値ではなく、健康的な食生活全体への貢献度を評価する仕組みに改めたと説明している。

同時に、制限すべき栄養素として、飽和脂肪、ナトリウム、添加糖の3項目について上限が設定された。FDAは、特に添加糖の上限を新たに設けた点について、糖分の多い食品が健康的であるかのように受け取られることを防ぐ狙いがあるとしている。

対象となる食品の範囲も変更

FDAは、新基準の下で「ヘルシー」と表示できる食品の範囲が変わると説明している。ナッツや種子類、サーモンなどの脂肪分を多く含む魚、オリーブオイルなどの植物油、水といった食品は、健康的な食事に寄与すると評価され、新たに対象となる。

一方で、糖分を多く含むヨーグルトやシリアル、精製穀物を主原料とするパンなどについては、条件によっては「ヘルシー」表示が認められなくなる可能性があるとしている。

施行時期と事業者への対応期間

FDAによると、この最終規則は2025年に発効する予定であるが、食品事業者が新基準に対応するための移行期間を2028年までにと設けられている。FDAは、事業者が表示変更や製品改良を段階的に進められるよう配慮したとしている。

消費者向け表示のさらなる改善も検討

FDAは今回の改定について、消費者が食品パッケージを通じて、より分かりやすく健康的な選択ができるようにする取り組みの一環であると位置づけている。また今後については、「ヘルシー」基準を満たす食品を視覚的に識別できるシンボル表示の導入も検討していることを明らかにしている。

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