少なくとも10のハッキング集団がマイクロソフト(Microsoft)の電子メール・サーバーの欠陥を悪用して世界中でサイバー攻撃をしかけている、とサイバーセキュリティー会社ESETが3月10日に報告した。当初には、中国共産党が支援するサイバー攻撃部隊による多くの犯行が報じられたが、現在、複数の国のハッキング集団が同じ弱点を悪用した攻撃を強めている。
ロイター通信によると、米国と欧州各国の当局は、同社のエクスチェンジ(Exchange)ソフトウェアに最近発見された弱点をついた侵入が広がる恐れについてあいついで注意喚起した。
世界中で広く使われている同社の電子メール・ソフトウェアとカレンダー管理ソリューションには、それらのサーバー群から侵入できる裏口(セキュリティー上の脆弱性や弱点、欠陥)が発見され、広範かつ大規模の産業スパイ行為によって電子メールのやり取りを盗まれる恐れがある。
直近では、ノルウェイ議会が10日に、それらの弱点によってデータが「盗み出された」ことを公表し、ドイツのサイバーセキュリティー監視当局も同日に、複数の政府機関が同じ脆弱性をつかれてハックされたことを明らかにした。
マイクロソフトは先週、それらの欠陥をふさぐ修正パッチを配信開始したが、世界中の会社や政府機関、各種の団体による修正パッチの実装は迅速ではなかったことから、各国政府のサイバーセキュリティー当局はすぐに実装するよう呼びかけている。
専門家らは、エクスチェンジの構造の複雑さが一因と指摘し、裏口が部分的に開いた状態になっている、と警鐘を鳴らした。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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