電子署名ソリューション大手のドキュサイン(Docusign)は4月11日、インテリジェント契約管理(Intelligent Agreement Management=IAM)と呼ばれる新たなサース(SaaS=software-as-a-service)戦略の拡大を打ち出し、インテリジェント契約管理プラットフォームおよびアプリケーション群であるドキュサインIAMを発表した。
シリコンアングル誌によると、ドキュサインIAMは、会社らが契約合意データを洞察と行動に変換し、合意内容評価作業過程を加速し、組織全体の生産性を高めることを支援するよう設計されている。
同サービスは、ドキュサインが「契約合意の罠(Agreement Trap)」と呼ぶ各社の時代遅れの契約合意システムや過程がビジネスを遅らせ、重大な情報を既存の記録システムとは無縁かつ膨大な量の社内ファイルに埋もれさせる問題に各社が対応できるよう支援する。
ドキュサインIAMは、ドキュサインが電子署名にとどまらず、より広範の領域に進出するという成長戦略を明示する。同社はその一環として、「sign」の大文字を削除し、ブランド名を若干変更している。
デロイトの調査によると、契約合意業務の管理の不備が原因で世界市場において毎年2兆ドルの経済価値が損失している、とドキュサインは指摘する。契約合意に関する一連の作業が切断されたシステムや過程は非常に大きなコストを発生させる。その回避を手助けするのがドキュサインIAMだ、とドキュサインは説明した。
同社によると、ドキュサインIAMのプラットフォームとアプリケーション群は、合意管理過程のさまざまの要素や部分を接続し、人工知能を活用して契約書の作成の迅速化や交渉の強化、戦略的洞察の抽出を利用会社らに提供する。
会社らは同サースを利用することで、顧客関係管理や人材資源管理、ERP(enterpriseresource planning)を含む広範のビジネス過程やシステムと連携し、合意書の作成を自動化できる。利用者らはその結果、合意内容や隠れた重要情報の確認、不必要なリスクの回避、契約締結にかかる時間の短縮といった利点を得られる。
ドキュサインIAMには、ナヴィゲイター(Navigator)やマエストロ(Maestro)、アップ・センター(App Center)というツールが含まれる。
ナヴィゲイターは、ドキュサインAIを使って非構造化契約データを構造化データに変換し、検索やアクセス、洞察抽出を容易にする。マエストロは、第三者製アプリケーション群との統合によって、カスタマイズ可能かつコード不要の契約書作成過程を効率化する。アップ・センターは、セールスフォースやサービスナウを含むさまざまの第三者製アプリケーションとの継ぎ目なしの統合を可能にすることで生態系を拡充し、相互接続された効率的なデジタル契約環境を整備する。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ
-
米国特許商標庁、出願者らの個人住所流出が再発 〜「不注意」が原因、影響を受けた人たちに通知