ルーブルの窃盗事件、ライダーで防げた可能性も 〜 新興企業アウトサイト、三次元空間知能が警備に有効と強調

パリにある世界的美術館ルーブル(Louvre)で10月19日に起きた白昼7分間の窃盗事件では、フランス王室の宝飾品9点が盗まれた。その被害総額は推定8800万ユーロ(約155億円)に上る。9点のうち一つは、4人組の窃盗犯が逃走中に道路に落として回収された。4人のうち二人は10月26日までに国外逃亡前に逮捕された。

ITSインターナショナル誌によると、パリ拠点の三次元空間インテリジェンス(3D Spatial Intelligence)新興企業アウトサイト(Outsight)は10月27日、同社のライダー(LiDAR=Light Detection and Ranging=光検知&測距装置)技術を用いた空間知能プラットフォームがあれば、「今回のような窃盗被害を防止できた可能性がある」と話した。

同社によると、「ライダー技術は、美術館や公共施設を警備するのにきわめて有効だ」。同社の共同創設者ラウル・ブラヴォー社長は、「三次元ライダーのレイザー技術によってすべての動きと空間的事象の詳細をリアルタイムで即座に把握できる」と説明した。

自動運転車(autonomous vehicle=AV)に搭載される検知器として発達したライダーは、レイザー光を用いて検出対象環境全体の三次元ポイント・クラウドを継続的に生成し、匿名化された連続的空間情報を取得する。

アウトサイトのソフトウェアは、動く物体をセンチメートル単位の精度で検知かつ分類し、混雑した空間内でも個々の動線をリアルタイムで追跡可能だという。

同社は、同システムをルーブルに導入していれば、入館および退館するすべての人たちの動きを時系列で三次元データ化できたと説明する。

「既存の監視カメラ映像と照合すれば、警備担当者や捜査当局は事件の全貌をリアルタイムで再現し、捜索範囲を即座に絞り込み、行動パターンを特定できる。しかも、個人プライバシーを侵害することはない」と同社は説明した。

アウトサイトのライダー技術は、鉄道駅や空港といった交通拠点にすでに導入され、人流追跡や移動効率の最適化に活用されている。

「空港での歩行者密度管理やスマート都市での交通制御に使われている同システムは、文化遺産や重要社会基盤の警備にも容易に応用できる。リアルタイムの可視化と高精度データは安全確保に不可欠だ」と同社は述べた。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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