バイアグラをオンライン販売〜ファイザー、偽造品排除狙い
- 2013年5月7日
- 米国ビジネス
製薬大手ファイザーは、業界初の試みとして、性機能障害治療薬「バイアグラ」のオンライン販売を始めた。
USAトゥデイによると、同社は7日までに、薬局での購入が恥ずかしいという男性でも安心して購入できる専用ウェブサイトという触れ込みで「バイアグラ・コム」を立ち上げた。処方せんは必要で、価格は1錠25ドルだが、最初の購入では3錠が無料になり、2回目は30%値引きされる。
製薬会社は通常、患者への直接販売は行わず、卸業者を介して薬局、病院、診療所などで商品を販売するが、ファイザーは偽造品でも平気で販売するオンライン薬局の増加を深刻に受け止め、新方式を打ち出した。インターネット市場では、ブランド処方薬の偽造品を処方せんも確かめず最大95%引きで患者に販売するサイトが増えている。
業界他社もファイザーに追随する可能性が高く、うまく行けば偽造品が多く通販の売れ行きが良い薬、特にやせ薬や育毛剤、避妊薬など差し迫ってはいないが人に知られたくない問題の治療薬を中心に、メーカーによるネット販売が始まる可能性がある。
近年は、無保険者、低価格商品を求める人、他人に知られず購入したい人などを中心に処方薬のネット購入が増えているが、オンライン薬局の多くは法律を守っていないのが現状。オンライン薬局の認定機関である連邦薬事委員会連合(NABP)が今年1月、ウェブ薬局1万275件を対象に実施した調査では、合法と判断されるサイトは257件しかなかった。
不法サイトで販売されている偽造品は、一般的にアジア、東欧、中南米の非衛生的な環境で作られており、有効成分が含まれていたとしても適量ではなく、重金属、鉛入り塗料、プリンター用のインクなど有害物質が含まれていることさえある。
バイアグラは2012年の世界売上高が20億ドルというファイザーの人気商品だが、国内で最も偽造品の多い医薬品でもある。同社が11年、人気の高い22の薬品販売サイトでバイアグラを購入して分析したところ、77%が偽物で、そのほとんどは有効成分含有量が本物の半分以下だった。
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