「常時接続消費者時代」に対応 〜メディア業界も大規模データ分析を活用へ

 米国の娯楽およびメディア業界は、夏休み期間中の映画市場というドル箱市場の時期が接近するなか、変化する消費者動向にいかに対応して増収を図るかを模索しており、大規模データ(Big Data)の分析を駆使しした新たな販促に注力する方策を検討している。

  インターネットの普及を受けて始まった「デジタル時代」は現在、携帯電話通信網やワイファイ通信網の進化とスマートフォンやタブレットの普及によって「常時接続消費者時代(connected consumer era)」に移行した。

 ビジネスウィーク誌によると、昨今の消費者はデジタル・コンテントをいつどこでどのように使うかを自在に制御できるようになり、その結果、娯楽およびメディア各社は、デジタル・コンテントの多様な配信経路(配信手段)の構築に加えて、娯楽作品の新たな価値を見いだす戦略を考えなければならなくなった。

 その解決策の一つとして目されているのが、「ソーシャル・インテリジェンス(social intelligence)」だ。ソーシャル・メディアを通じて消費者との直接の意思疎通や情報伝達を図るのがソーシャル・インテリジェンスで、それを効率化させるには、発信側と消費者側の双方向のコミュニケーション内容とそれに関するデータを把握する必要がある。

 ソーシャル・メディアの普及によって、消費者は従来のようにコンテントを消費するだけでなく、意見を書き込んだり、友人らと情報を交換したりと、自らがコンテントを生み出すようになり、膨大な量のデータが蓄積されるようになったことがその背景にある。

 ソーシャル・メディアを使う消費者の書き込みやつぶやきという非構造的な大規模データは、企業各社が販促や商品開発に役立てるために欠かせない材料となっており、ソーシャル・インテリジェンスに依存する企業は激増中だ。

 そのためには、最先端の非構造的データ分析ソフトウェアが必要となる。

 IBMと南カリフォルニア大学アネンバーグ革新研究所(Annenberg Innovation Lab)は、コンピュータの学習能力および自然言語の処理能力を使って、非構造的データを分析することで、消費者の微妙な感覚を導き出す「消費者感情分析(social sentiment analysis)」の共同研究を進めている。

 消費者感情分析を活用することで、映画や小売り、スポーツを含むあらゆる話題に関する消費者の思いについて、肯定的または否定的かを区別するだけでなく、皮肉といったより具体的な感情も抽出できるようになる。

 そういった試みはすでに始まっており、これまでにも、アカデミー賞や感謝祭連休中の映画興行、MLBのワールド・シリーズ、NFLのスーパー・ボウル、映画予告編に関する分析においてその可能性が証明されている。

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