遺伝子組み換え作物は命を救う〜インド綿花農家の栄養状態が改善

 インドの綿花栽培地帯で、貧しい農家が作物を遺伝子組み換え(GM)品種に切り替えることで収入が増え、家族に栄養が行き渡るようになっていることが、ドイツとパキスタンの大学研究者による調査で分かった。

 ロサンゼルス・タイムズによると、調査はインドの綿花栽培農家533軒を対象に行われ、家計や栄養補給の実態を8年にわたって追跡した。これらの農家は年間消費支出が平均500ドル以下と貧しく、典型的な農家は約12エーカーの畑を持ち、半分で綿花を、残り半分で小麦、キビ、モロコシ、コメなどの穀物を生産している。

 遺伝子操作によって開発された綿花には、殺虫性タンパク質(Bt)を作り出す遺伝子を組み込んだ「Bt綿花」がある。Bt綿花は農薬を使わなくても害虫が付かず、農家の農薬代を減らして収穫を増やし、収入の増加につながる。

 調査地区の綿花農家のうち、Bt綿花を栽培する割合は2002年には38%だったが、08年には99%に上昇した。この結果、農家は家族の食料をより多く生産または購入できるようになり、世界保健機関(WHO)の定義で「食料不安」と分類される世帯が減った。食料不安は、1日のカロリー摂取量が生命を維持する上で安全と考えられる基準に達しない状態で、インドで農業に従事する成人男性の場合、2300キロカロリーが安全基準。

 Bt綿花を導入した農家の男性はこれが平均3329キロカロリーとなり、非GM綿花を作る農家の男性の2830キロカロリーを18%上回った。Bt綿花の栽培面積が2.5エーカー増えるごとに、成人男性の摂取カロリーが1日74キロカロリー増えた計算となる。

 また、豆類、果物、野菜のほか、肉、酪農品、卵など、より栄養価の高い食料の摂取量も、Bt農家の男性は1日704キロカロリーと、普通の農家の639キロカロリーより10%多かった。非GM綿花の農家がすべてBtに変われば、食料不安の世帯は15〜20%減少すると考えられ、調査報告書は「GM作物は、飢餓や栄養不足問題の万能薬ではないが、幅広い食料確保のための重大な要素となり得る」と結論づけている。

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