こっち見て話せませんか〜携帯の普及で新たな問題

 携帯通信機器の普及で、相手の目を見て会話する能力の低下が懸念されている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、コミュニケーション問題を分析するクアンティファイド・インプレッションズ(テキサス州)の調査で、成人が現在、会話しながら視線を合わせる時間は平均して全体の30〜60%であることが分かった。しかし、双方が緊密な感情を抱くにはこれを60〜70%まで高める必要があると同社は指摘する。

 相手を見ない理由の1つとして、マルチタスク(並行作業)を可能にする携帯通信機器の普及がある。クアンティファイドのノア・ザンダン社長は、20代の人々にとって「食事中に電話に出たり、野球の試合の途中経過を確認したりする行為はほぼ許されるようになった」と指摘する。

 しかし、2009年に専門誌Image and Vision Computingで報告された調査では、高い職位にある人ほど話す時に相手と視線を合わせる時間が長い。

 心理学者の間では、専門誌Computers in Human Behaviorに最近発表された「脱落恐怖症(fear of missing out=FOMO)」を指摘する声もある。人生や人間関係に満足していない若い成人は、社会から取り残されたくないという不安にかられて携帯機器を頻繁に確認するようになるという理論だ。

 社内教育サービスを提供するプロフェッショナリズム・マターズ(ジョージア州)の創業者、ダナ・ブラウンリー氏によると、在宅など遠隔勤務の普及も、相手を見ずに会話する習慣を広めている。

 一方で、相手の目を見て話す習慣のない国もある。アジアでは相手の目を見て話すことを怒りの表現と受け取ったり、視線を合わせて話す人を取っ付きにくいと感じる傾向が強い。

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